【マニアックに解説!】三角筋中部を鍛えるサイドレイズのフォームと重量選択

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おおはらゆういち(パクチー大原)

1994年福岡県生まれ。「筋トレ仲間が欲しい」と思い、早稲田大学に入学。早稲田大学のボディビルコンテストで優勝し2016年度ミスター早稲田となる。卒業後は不動産の営業→フリーランスのトレーナーになる。現在は島根県の山奥で【筋トレ村】を作りつつセミリタイア生活を送っている。

オロッス!福岡市中央区でパーソナルトレーナーをしているパクチー大原です。

今回は三角筋中部を鍛えるサイドレイズについて解説していきたいと思います。支点と重心について理解することが効かせる上で重要ですのでぜひ最後までご覧になってください。

三角筋中部の解剖学と起始停止

三角筋は動画のように肩峰(けんぽう)と呼ばれる部分から腕の外側(上腕骨中部外側の三角筋粗面)に付着しています。三角筋を鍛える場合はこの二点間の距離を縮めること(肩を固定して、腕の部分を動かすこと)を意識してトレーニングを行いましょう。

▼三角筋前部と後部の交えた詳しい解剖学についてはこちら

【早大生ボディビルダーが解説】三角筋の解剖学・起始停止

サイドレイズの力学①いかり肩を作る

サイドレイズでは肩甲骨を開きましょうといわれるのは「いかり肩」を作るためです。いかり肩だとダンベルを持った時の支点がちょうど三角筋のある肩の両端になります。一方なで肩の状態だと支点が体の中心部に近い左右の僧帽筋になるのです。

なで肩の状態で動作をすると支点が僧帽筋になってしまうため、僧帽筋がメインで動くようになります。一方いかり肩だと三角筋がメインで動くようになるのです。

このいかり肩の状態を作るためには、「構え」の時点で肩甲骨を開き、肘を外につき出すような構えを作ってから、ダンベルを上げ下げすることが重要です。動作を始める前に、この三角筋を支点にする構えを作ることが重要です。

サイドレイズの力学②下ろすときは遠くに

サイドレイズのダンベルを下す局面で損をしている人がいます。三角筋に与えられたはずの刺激を与え損なっているのです。それはダンベルを上げた状態から下げるときに、体の中心部にダンベルを戻すようにしている人です。

筋肥大をする上で一番逃したくないストレッチ刺激を得るためには、ダンベルを上げ切ったところを基点として真下におろすようにしないといけないのです。結局は体の中心部にダンベルが近づくのですが、なるべく体から遠い軌道を通してあげるのです。これはてこの原理が関係しています。

重いレジ袋を持った時には体の近くになるように持ちますよね?腕を体の外側に持っていく人はいないはずです。これは手に持ったものを体から遠ざければ遠ざけるほど多くの力が必要になるからです。

トレーニングでは三角筋に負荷のかかるフォームにしなければなりません。つまり。ダンベルをなるべく体から離したフォームで上げ下げするのです。ダンベルを挙げるときは体からダンベルが離れるようにしている人がいるのですが、下げるときは体の中心部に向かって戻している人が多いので下ろすときもなるべく体から遠い軌道を通るようにおろしましょう。

ダンベルを挙げるときは僧帽筋ではなく肩を支点として、手を外側に上げていきます。

ここまでで説明したポイントで両手で行うサイドレイズにしっかりと効かせることができます。実際に次の項で+αの知識も交え説明していきます。

スタンディング・サイドレイズのフォーム

4:27秒から解説しています。

両手で行うサイドレイズの場合のポイントは以下の通り

・肩幅ではなく腰幅で立つ

・肩甲骨を開いた状態にする

・構えの段階で肘を外側につき出す

・ダンベルを挙げるときは肩を基点として動かす

・ダンベルを挙げるときは体の外側に上げる

・ダンベルを下げるときは上げたところから真下におろすようにする

・挙げるときはしっかりとダンベルを握りこむ

ワンハンドハンドサイドレイズのフォーム

次はワンハンドサイドレイズです。ワンハンドサイドレイズは両手で行うサイドレイズよりも三角筋を支点にしやすいため、効かせやすくなります。ただこの場合も注意が必要です。

それは重心を大切にすること。右手にダンベルを持って右足重心ならば右の三角筋が支点になりますが、右手にダンベルを持って左足に重心を持ってくると体の中心(僧帽筋)が支点になってしまうのです。ですから、三角筋を支点にするためにはダンベルを持った側の足に重心を置くようにしましょう。

左手左足重心でも右に反り上げるようにしてダンベルを上げてしまうと支点が体の中心に移動してしまうので、なるべく体を左寄りにしたままで上げ下げを行いましょう。

ワンハンドサイドレイズはこのポイントさえ押さえれば肩から負荷が抜けにくいため、両手で行うサイドレイズよりも重いダンベルを扱って高重量の刺激を三角筋に与えることができます。

サイドレイズの重量選択

引用:https://yahoo.jp/euP1E3
三角筋中部は羽状筋の集まり

サイドレイズで鍛える三角筋中部は多羽状筋と呼ばれており、羽状筋と呼ばれる筋肉がいくつか集まってできています。羽状筋は大きな筋力を発揮しやすい構造であり、5-8回がやっとできるような重量を使用することが望ましいです。

ただサイドレイズの場合は10回もできない重量だと効かせにくくなるため、高重量を扱っても三角筋から負荷の逃げにくいワンハンドサイドレイズで10回がギリギリできる重量を扱うとよいです。

両手で行うサイドレイズはワンハンドサイドレイズよりも軽い重量で、下げるとき挙げるときもスローテンポで効かせることを意識して10-15回行うとよいです。

サイドレイズの握り

三角筋中部は多羽状筋と呼ばれており、羽状筋がいくつか集まってできています。そのため三角筋中部でも前部繊維と後部繊維に分けることができます。

「三角筋中部の前部寄り」は人差し指側の手のひらから端を発する正中神経に属しているため、人差し指側を握りこんだほうが効きやすくなります。一方、「三角筋中部の後部寄り」は小指側の手のひらから端を発する尺骨神経に属しているため小指側を強く握るようにすると効かせやすくなります。

サイドレイズの回数とセット数

サイドレイズはフォームの問題もあり効かせにくいかと思いますので、トレーニングの初めは3kgくらいのサイドレイズを30回3セット。次は両手でやるサイドレイズを10-15回3セット。次は重めのダンベルを用いたワンハンドサイドレイズを10回3セット行ってあげるとよいでしょう!

なるべく勢いを使わず、気持ち上げ切ったところで一瞬止めてあげることが大切です。というわけで、三角筋のサイドレイズ編はココで終了です。参考になったなと思えばTwitterでいち早く情報を出しているのでTwitterをおススメします。

というわけで、オロッス!