オロッス!福岡市中央区でパーソナルトレーニングをしているパクチー大原です。
早速質問なのですが、皆さんは筋トレをする時に腹圧を意識して入れていますか?腹圧を入れる必要性は分かりますか?
今回の記事では「腰を痛めないために腹圧を入れましょう」とよく言われる腹圧はそもそも何なのか。腹圧はなぜ入れたほうがよいのか。腹圧をさらに高めるには。など腹圧に関して全体を把握できる内容となっております。
この記事を読むことによって腹圧について知ることができるだけでなく、ケガをせずに筋トレができたり、筋トレの質を高めることができるので最後までご覧ください。
目次
腹圧とは
腹圧とはおなかの内臓を収納している部分(腹腔ふくくう)の圧力のことです。この圧力が高まると背骨に負荷のかかる姿勢になりづらくなる(脊柱が安定する)ことで、スクワットやデッドリフトなど重い負荷を担いだ時でも腰を痛めにくくなります。
腹圧はどんな時に必要?
腹圧は身近なところで使われている
腹圧は筋トレをしたことがない人でも実は毎日使っています。それは「うんこ」をするときです。
うんこをするときはお腹の圧力を高めてうんこを押し出しています。おなかの力を振り絞るあの感覚は腹圧を高めるときの感覚なのです。筋トレをするときはもう少し工夫した腹圧の高め方が必要になってきますが、腹圧を高めることはだれもが常日頃行っていることです。
筋トレで腹圧を高められていないとどうなる?
スクワットやデッドリフトなど重いものを持ち上げる筋トレで腹圧を高められていないと脊柱が安定しない、つまり背骨(脊柱)が曲がったり反った状態になります。この背骨の状態は重い負荷に弱く、そのまま重いバーベルをもって負荷をかけてしまうとヘルニアや腰痛の原因となってしまうのです。
腹圧の効果をいますぐ感じてみよう
簡単に腹圧の効果を知る方法があります。それはまず、思いっきり息を吸い込んで止めたままの状態で体を丸めるように前屈することです。その時の前屈のしやすさを覚えておいてください。
次に息を吐ききった状態で体を丸めるように前屈してみましょう。この場合、息を吐いた状態のほうが体を丸めやすくなりますよね?逆に息を思いっきり吸い込んだ状態のほうが体を丸めにくいですよね?
体を反る場合でも同じで、息をおもいっきり吸って止めた状態だと、反りづらくなります。
腰が丸まったり、反ったのままの状態で重いのを持ち上げると背骨に負荷がかかりヘルニアや腰痛の原因となります。けがをを防ぐために体を丸めにくく反りにくくするための腹圧を入れることが重要になるのです。
筋トレでの腹圧の高め方
腹圧を高める方法
筋トレをするときに腹圧を高めるための方法は、空気を思いっきり吸った状態のまま、お尻の穴を締めて、うんこをするときのようにおなかに力を入れて踏ん張ることです。お尻の穴を締めなければそのまま脱糞してしまいますが、しめている状態であれば圧力が逃げる場所がなくなるため、腹圧を高めることができます。
腹圧を高めやすい姿勢
腹圧を高めるには姿勢も重要になってきます。腹圧を一番高めやすい姿勢は腰が反っておらず、丸まっていない状態。言い換えると、「みぞおち」からおへその10センチ下までが一直線の状態が腹圧を高めやすい状態と言えます。
ですのでスクワットやデッドリフトでは特に「みぞおち」からおへその10センチ下までが一直線になるようにキープしましょう。
腹圧をかける時に使われる筋肉
腹圧とはどこの筋肉が使われることで高めらるかご存知でしょうか?腹圧は以下の三つの筋肉がおなかの圧力を逃がさない蓋として働くことで、腹圧を高めることを可能にしています。
横隔膜(おうかくまく)
横隔膜は呼吸をするときに使われる筋肉で、息を吸ったときは横隔膜は収縮することで肺に空気を入れるスペースを作り、息を吐いたときは緩むことで肺の空気を外に押し出します。腹圧を入れるときは横隔膜は上から蓋をすることでおなかの圧力が逃げることを防ぎます。
腹筋群(ふっきんぐん)
腹筋群はいわゆるシックスパックと呼ばれる腹直筋(ふくちょくきん)、お腹の横にある外腹斜筋(がいふくしゃきん)・内腹斜筋(ないふくしゃきん)、お腹の深層にある腹横筋(ふくおうきん)の総称のことを言います。
この腹筋群はお腹の前面からおなかの圧力が逃げないように蓋をすることで腹圧を高めます。
骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)
骨盤底筋群はお尻の穴を締める肛門括約筋といった「骨盤の底」にあるいくつかの筋肉の総称のことで、これらの筋肉が下からおなかの圧力が逃げないように蓋をします。
腹圧をより高めるためのトレーニング
呼吸筋トレーニング
呼吸筋トレーニングは私自身効果をかなり感じており、これをサボらず行うことで腹圧を高めやすくなりました。呼吸をするときに使われる筋肉は横隔膜、腹横筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹直筋など腹圧を入れるときに使われる筋肉がすべてかかわっています。
息を吸う、息を吐くという呼吸に対して負荷をかけてあげると横隔膜、腹筋群を鍛えてあげることができます。
呼吸筋を簡単に鍛える方法としてはペットボトルを使ったものがあります。まずは、画像のようにペットボトルに数ミリだけ穴をあけます。そして次に飲み口から思いっきり吐く行為を5-10回を3セット行います。この時のポイントとしては最後まで吐ききること。
そして同様に飲み口から吸うことを5-10回を3セット行うようにしましょう。頻度としては週2回行えるとよいです。非常にめんどくさくサボりやすいトレーニングですが、その効果をサボった時などに特に実感できるのでサボらず継続して行いましょう。
ペットボトルは変形しにくい炭酸飲料の500㎖ペットボトルをおススメします。
このトレーニングはどこかで見たことがある人もいると思いますが、そうです、歌う時の声量を上げるためのトレーニングとしても行われています。「吸う」ときの負荷を調整できるパワーブリーズという専用のトレーニング器具もあるのでそちらを使ってトレーニングしても良いです。
腹筋群のトレーニング
前面からおなかの圧力が逃げることを防ぐ腹筋群のトレーニングは一般的な腹筋のトレーニングである上体起こし、レッグレイズ(足上げ腹筋)に追加して、サイドベントという外腹斜筋と内腹斜筋を鍛えるトレーニングを追加して行うようにしましょう。
サイドベントはダンベルを片手に持って骨盤を基点として体を横に傾け、外腹斜筋・内腹斜筋の力を使って傾けた状態をもとに戻すトレーニング。10-12回を目安に左右それぞれ3セット行います。
骨盤底筋群
ポイント
①カカトを上げる
②脛(すね)はなるべく地面に対して直角になるようにする
③息を吐くと連動して骨盤底筋群も動くのでお尻を挙げるときは息を吐ききる
④まず最初にお尻の穴を締めてから骨盤を上にあげる
⑤胸を張って腰を反るのではなく、あくまで骨盤だけを引き上げるようにする
⑥10回を3セットを週2でおこなう
まとめ
いかがでしたでしょうか。
腹圧はトレーニング初心者でも知っている言葉ですが、腹圧を入れるコツや、腹圧をさらに高める方法はなかなか奥が深いのでしっかりと身に付けるようにしましょう。
腹圧を入れられているかどうかで怪我をする、しないにかかわるので柔道で言えば受け身のようなものです。呼吸筋トレーニングやサイドベントといったトレーニングはめんどくさいですが、自分の身を守るためにも継続していきましょう。
それではよい筋トレ生活を。