【早大生ボディビルダーが解説】上腕二頭筋の解剖学・起始と停止

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おおはらゆういち(パクチー大原)

1994年福岡県生まれ。「筋トレ仲間が欲しい」と思い、早稲田大学に入学。早稲田大学のボディビルコンテストで優勝し2016年度ミスター早稲田となる。卒業後は不動産の営業→フリーランスのトレーナーになる。現在は島根県の山奥で【筋トレ村】を作りつつセミリタイア生活を送っている。

オロッス!福岡市中央区でパーソナルトレーナーをしているパクチー大原です。

今回は上腕二頭筋の起始と停止、さらには数ある上腕二頭筋のトレーニングで共通するポイント、ストレッチの方法も合わせて紹介していきます。

筋トレを行う上で鍛えようとする筋肉がどことどこについていて、どのような動きをするのかを知ることは基礎中の基礎なのでぜひ最後までご覧になって下さい。

上腕二頭筋は二つに分類される

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上腕二頭筋は、長頭と短頭と呼ばれる二つの筋肉が合わさることで上腕二頭筋と呼ばれています。短頭と長頭はそれぞれ起始と停止が違うので詳しく見てみましょう。

上腕二頭筋・短頭

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起始:烏口突起(鎖骨のちょい下にある骨)

停止:橈骨粗面(親指側にある前腕の骨)

トレーニングをする方はざっくりと「ココとココについているんだな!」という把握するだけでも大丈夫です!上腕二頭筋の短頭はこの二つの骨に付着しており、この二点の距離を縮めるように動きます。短頭を鍛えるポイントは後の高項で説明します。

神経支配

筋皮神経:C5.6

この筋皮神経C5.6というのはトレーニングではほとんど使わないので覚えても覚えなくてもよいです。より重要なのは、上腕二頭筋の短頭は尺骨神経に分類さているところです。尺骨神経は小指から繋がる神経であるため、上腕二頭筋の短頭を鍛える場合は小指と薬指を強く握ってあげると効きやすくなります。

見え方

上腕二頭筋の短頭は腕を内側から見た時に映える筋肉です。

上腕二頭筋・長頭

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起始:肩甲骨の関節上結節(肩甲骨の上の部分)

停止:橈骨粗面(親指側にある前腕の骨)

長頭も同じくざっくり「ココとココについているんだ!」と把握するだけで大丈夫です。トレーニングを行う場合はこの二点の距離を近づけるように筋肉が動いていることをイメージできればよいです。

神経支配

筋皮神経:C5.6

この筋皮云々もトレーニングで使わないので覚えなくても良いです。より重要なのは上腕二頭筋の長頭は正中神経と呼ばれる親指と人差し指から通る神経に繋がっているので、長頭を鍛える場合は親指と人差し指を強く握るようにすると効かせやすくなります。

見え方

上腕二頭筋の長頭は腕を外側から見える部分です。また、上腕二頭筋の立幅(ピーク)を作る筋肉であるため、もっこりとしたふくらみを出したい方は上腕二頭筋の長頭に焦点を当てて鍛えるとよいです。

上腕二頭筋の作用

上腕二頭筋には三つの作用があります。トレーニングではこの上腕二頭筋の作用に対して抵抗をかける動きをすることが重要になってきます。

肘関節の屈曲

上腕二頭筋の作用の一つが肘を屈曲(曲げる)させることです。

前腕の回外

前腕が回外してない状態
前腕が回外した状態

親指側に前腕をひねる(回外)作用も上腕二頭筋にはあります。いま確認してほしいのですが、手首を親指側にひねると上腕二頭筋が収縮しますよね?

肩関節の屈曲

肩関節が屈曲してない状態
肩関節が屈曲した状態

上腕二頭筋には肩関節を屈曲させる働きがあります。

しかし、実際のトレーニング動作では意識的に肩を上げようとするのではなく、肘を曲げた結果として(肘を曲げた後に)肩が上がっている状態が望ましいです。というのも力学的に最初に肩を上げて肘を曲げるようにすると重力の負荷がかかりにくくなるためです。

長頭と短頭の違い

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長頭と短頭では付着している部分が違うため、動きも少しだけ異なります。

それぞれ停止部分の橈骨粗面は同じですが、短頭の起始部分は烏口突起と呼ばれる体の少し内側部分に付着しているため、腕を体の内側に近づけるようにします。バーベルカールの手幅で言えば肩幅より少し狭めにすると同じ動きが再現で決ます。

長頭の起始部分は肩甲骨の上結節と呼ばれる、烏口突起よりも外側の部分についています。そのためバーベルカールで鍛える場合は手幅を肩幅くらいにすると長頭を鍛えるのに適した動きになります。

トレーニングでの応用

上腕二頭筋の起始停止・作用を応用した上腕二頭筋を鍛える際のポイントを紹介します。

ダンベルの持つときは親指を積める

上腕二頭筋の作用に前腕を親指側にひねる作用がありますが、そのひねる動きに対して負荷をかけるためにダンベルを持つ際は親指側の隙間を積めるようにするとよいです。そうするとダンベルが傾かないように前腕を外にひねる力が加わるので上腕二頭筋に刺激を与えやすくなります。

手首は固定

手首はすこし曲げた状態で固定

バーベルカールで挙げるときは手首を巻き込むようにして、下げるときは手首が反っている人がいますがそれだと前腕に負荷が抜けてしまいます。上腕二頭筋に手首を動かす作用はないので、手首は少し曲げた状態のまま固定して、肘を曲げる動作を行いましょう。

詳しい上腕二頭筋のトレーニングのポイントは以下の記事を参考にしてください。

【早大生ボディビルダーが解説】上腕二頭筋の解剖学・起始と停止
【早大生ボディビルダーが解説】上腕二頭筋の解剖学・起始と停止
オロッス!福岡市中央区でパーソナルトレーナーをしているパクチー大原です。 今回は上腕二頭筋の起始と停止、さらには数ある上腕二頭筋のトレーニングで共通するポイント.....

上腕二頭筋のストレッチ方法

上腕二頭筋をストレッチさせる場合は上腕二頭筋の作用の逆をすればよいのです。

上腕二頭筋が収縮するには以下の動きを同時に行います。

(右手は上腕二頭筋が収縮したポジション)

・前腕の回外

・肘関節の屈曲

・肩関節の屈強

逆に上腕二頭筋をストレッチさせるには以下の動きを合わせて行います。

(右手は上腕二頭筋がストレッチしたポジション)

・前腕の回内(小指側に手首をひねる)

・肘関節の伸展(肘をのばす)

・肩関節の伸展(腕を体よりもうしろに持ってくる)

まとめ

いかがでしたでしょうか?上腕二頭筋の起始と停止を知るだけでより鮮明に筋肉を動かしているイマージを持つことができると思います。ご紹介したトレーニングのポイントを参考にしながららでっかい力こぶ作ったってつかあさい