オロッス!パクチー大原です!@pakuti_ohara
今回はハムストリングを鍛えるスティッフレッグドデッドリフトのやり方を解説していきたいと思います。
ハムストリングを大きくしたい、この種目でなぜか背中に効いてしまうという人にとっては、ボディビルダーならではのマニアックな解決方法を知ることができるので最後までご覧になって、ジムで実践してみてください。
目次
ハムストリングとは
ハムストリングは画像のように股関節から膝の付け根に付着している半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋という筋肉の総称のことを言います。
ハムストリングの働きはは足を後方に蹴り上げることと(股関節の伸展)、膝を曲げることです(膝の屈曲)。レッグカールは膝の曲げ伸ばしを主に行いますが、今回紹介するスティッフレッグドデッドリフトは股関節の運動を主に行う種目です。
スティッフレッグドデッドリフトの特徴
スティッフレッグドデッドリフトの特徴は主に二つあります。
特徴①ハムストリングを強烈にストレッチできる
スティッフレッグドデッドリフトの特徴の一つに股関節を強くストレッチさせられることがあげられます。ハムストリングは①膝を曲げて(膝の屈曲)と②足を後方に蹴り出すと(股関節の伸展)最も収縮します。
逆にハムストリングを伸ばす場合は①膝を伸ばして②股関節を曲げると良いのです。
このスティッフレッグドデッドリフトのダンベルまたはバーベルを下す局面ではこのハムストリングを伸ばす2つ動作を行います。
そのため、スティッフレッグドデッドではハムストリングを最大収縮させられることはないものの、筋肥大に効果的な強いストレッチ刺激を与えることができます。
特徴②股関節の伸展がメイン
レッグカールは膝の曲げ伸ばしを主に行いますが、スティッフレッグドデッドリフトは股関節の伸展をメインで行います。
通常のデッドリフトと違うのは、スティッフレッグド(足を固定)、つまり膝の角度を固定し、膝の曲げ伸ばしを行う大腿四頭筋を使わずに負荷を上げ下げする点です。
後ほど詳しく紹介しますが、動かすのは股関節だけであって、脊椎を動かして動作を行う種目ではありません。
スティッフレッグドデッドリフトの動作
スティッフレッグドデッドリフトの動作は以下の通りです。
・足幅は腰幅
・カカト重心
・膝はほんの少し曲げた状態(165度)で固定
・脊椎は反らさず、まっすぐの状態で固定
・そこから股関節を手が膝よりも拳一つ分下の位置にくるまで屈曲させる
・頭と背骨の角度は一致させる
・脊椎は固定したまま、股関節の伸展だけで体を立てる
・アゴは5センチほど常に引いておく
重要なポイントは以下で詳しく解説していきます。
ポイント①股関節と膝の動き
まず膝の角度は165度くらいにします。膝を180-190度くらいまで伸ばしてピンと張った状態だとハムストリングの筋肉ではなく、腱に負担がかかってしまいます。
逆に膝を曲げすぎてもハムストリングではなくお尻が伸びるようになるため膝の角度は165度を動作中に常にキープします。
次に股関節の動きですが、股関節の屈曲と伸展を繰り返すだけです、言い換えるなら骨盤の前傾と後傾を繰り返します。
上段の画像が骨盤が前傾している状態、下段の画像が骨盤が後傾している状態です。骨盤の延長線上にある腰椎や胸椎は骨盤が動いているからそれに伴って動いているにすぎません。動かす意識はつねに骨盤にあるのです。
ポイント②脊椎の動き
▲脊柱起立筋を使ってしまう動作。若干だが脊椎も動いている
スティッフレッグドデッドリフトでは脊柱起立筋も使いますが、あくまで姿勢をまっすぐ保持するためだけに使います(アイソメトリック収縮のみ)。なぜか脊柱起立筋や腰に負荷がかかってしまうという人は、股関節ではなく、脊柱起立筋を使って脊椎を伸ばすように動作を行っていることが考えられます。
動作を行うときは、アゴを5センチほど引いて、腹直筋を軽く収縮させた(肋骨を締めた)まま、脊椎の位置をキープして股関節を伸展させましょう。
挙上フェーズでアゴを上げたくなりますが、アゴは引いて、腹直筋を収縮させた状態のまま、脊椎の位置もキープしたまま、股関節だけを使って挙げます。
一言で言うなら、「むしろ背中丸めたろか!」という感じで、股関節を伸展させてあげます。逆に背筋を伸ばすようにあげると脊柱起立筋に効きます。
ポイント③足の重心
脚の重心はカカトに置きます。つま先重心だと膝から曲げやすく、カカト重心だと股関節から曲げやすくなるためです。
私はそこまでこだわっていませんが、指の位置でも膝と股関節の曲げやすさは異なり、地面をつかむように足の指を屈曲させると膝を曲げやすく、背屈させると股関節を曲げやすくなります。
ポイント④肋骨を締める
人は息を吐くときは肋骨が内旋(しまり)、吸うときは外旋(ひらく)します。動作中は意識的に行うのです。感覚としては外腹斜筋を締める感覚です。この時若干、腹直筋も収縮しています。感覚が分かりにくい人は「フー」っと息を吐くのではなく「ハッ」と息を吐き出す感覚です。
この肋骨を締めた状態だと、横隔膜と骨盤的筋群が向かい合う状態になり腹圧を入れやすなります。つまり力を伝達しやすくなるのです。腹に力を入れて体を屈曲するのとしないのとでは、ハムストリングのストレッチ感が顕著に異なります。
肋骨の開け閉めはほかの胸の種目・背中の種目でも使えるので、動画のように「ハッ」と息を吐いて肋骨を締める練習を10回3セットおこなってからトレーニング前に行ってあげるとよいです。簡単にできるようになるまでは練習しましょう。
▼より詳しく呼吸と肋骨について知りたい場合はこれとか参考になります
ポイント⑤足幅
足幅でハムストリングに効くのか、お尻に効くのかが変わります。実際に体を動かして感じてみましょう。
まず上の画像のように足幅を腰幅にしてから上体を脊椎を固定したまま股、関節を屈曲してみてください。この時はハムストリングが伸びる感覚が得られるはずです。その感覚を覚えておいてください。
次は二枚目の画像のように足幅を肩幅にして同じ要領で股関節を屈曲してみてください。このときどこか伸びている感じがしますか?
ハムストリングではなくより上の大殿筋が伸びている感じがしますよね?足幅でこのように効く部位が変わってしまうので、ハムストリングを鍛える場合は腰幅で行いましょう。
ポイント⑥頭と胴体の角度を合わせる
体を倒すときに画像のように頭が上がってしまうと、腹圧が入りにくく、力を発揮しにくくなります。スティッフレッグドデッドリフトに限らず、ワンハンドロウやデッドリフトでこれを行ってしまいがちです。
腹圧を入れやすくするには二枚目の画像のように頭と胴体の角度が平行になるようにしてあげましょう。細かいことですが、重要です。
セット数や回数、重量について
スティッフレッグドデッドリフトはストレッチ種目です。ストレッチ種目では3-5回しかできないような重い重量を扱ってしまうと筋断裂に繋がってしまうため、10-12回できる重量を扱うようにしましょう。セット数は2-4セット行います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。スティッフレッグドデッドリフトのコツはあくまで股関節だけを動かすことにフォーカスことなので、次トレーニングをする場合はこの記事を見返しながら行ってみてください。
スティッフレッグドデッドリフトのほかにもハムストリングに効かせるブルガリアンスクワットやレッグカールのポイントを解説しているので参考にしてみてください。というわけで今回は以上!オロッス!
▼ブルガリアンスクワット
▼レッグカール