オロッス!福岡市中央区でパーソナルトレーナーをしているパクチー大原です。今回はマッチョの象徴ともいえる上腕二頭筋について、種目のポイントだけでなく解剖学から解説していきます。
ジムに行くとほとんどの人がしっかりと上腕二頭筋に効かせられるフォームをつくれていないので、NG例も参考にしつつ上腕二頭筋に効かせるための方法を学んでいってください。
目次
上腕二頭筋はどことどこについている?
筋肉を鍛える上ではまず最初に自分の鍛えたい部分がどことどこの骨についているのかを把握する必要があります。というのも筋トレは筋肉を伸び縮みさせる行為なので、鍛えるべき筋肉がどのように伸び縮みするのか分かるとどのようなフォームをとればよいのかわかるからです。
解剖学というと難しい感じがしますが、筋肉がどことどこの骨について、どのような動きをするのかを把握すればいいだけです。それでは以下より上腕二頭筋の解剖学を紹介します。
上腕二頭筋・短頭
上腕二頭筋は一つの筋肉と思われていますが、細かく分類する長頭と短頭に分けられます。二つの頭に分かれているから上腕二頭筋と名付けられているわけです。長頭と短頭を大きくした場合のそれぞれ筋肉の見え方や、鍛え方が異なるため「上腕二頭筋」とまとめず、細かく解説していきます。
上腕二頭筋・短頭の見え方
上腕二頭筋・短頭は正面から力こぶを作った時に良く見える部位です。上腕二頭筋の内側である短頭は発達させられるものの、外側の長頭が発達させられない場合が多いからこそ、鍛え漏れがないよう長頭と短頭をしっかりと鍛え分けて置く必要があります。
上腕二頭筋・長頭
上腕二頭筋の外側の部分である長頭は、ピーク(上腕二頭筋の高さ)をだす部分といわれており、意識して鍛えないと内側部分の短頭だけが発達してしまい見栄えのしない力こぶになってしまいます。私がそうです。ちーん。
上腕二頭筋・長頭の見え方
上腕二頭筋の長頭が発達すると力こぶの高さが出て盛り上がってる感が出たり、外側から見た時に力こぶの隆起が出たりします。短頭も大切ですが、長頭はしっかりと意識して鍛えないと盛り上がった形になりません。
上腕二頭筋(長頭・短頭)の作用
上腕二頭筋には以下の三つの動きがあるため、トレーニングでおさえておく必要があります。
肘関節の屈曲
そのまんまで肘を曲げる動きです。上腕二頭筋を鍛えるすべての動作でこの動きが入ります。
前腕の回外(かいがい)
次に手首を親指側にひねる動作です。いま実際にやってみて欲しいのですが、親指側に手首をひねる動作をすると上腕二頭筋も動いていますよね?上腕二頭筋を鍛える場合は肘を曲げる動作だけでなく親指側に手首をひねる動作も入れる必要があります。
肩関節の屈曲補助
上腕二頭筋には肩を屈曲させる作用もあります。しかしこの動きは肘を曲げた結果として肩関節が曲がっている状態が望ましく、肩関節を意識的に上げようとすると上腕二頭筋に刺激が上手く入れられなくなるので、この動きはそこまで意識する必要はありません。
全ての種目で共通のポイント
上腕二頭筋ごとにそれぞれポイントがあるのですがその前にすべての種目に共通するポイントを紹介しておきます。効く・効かないに直結するのでしっかりと押さえておきたいところです。
手首は少し屈曲させたままにする
上腕二頭筋の作用は肘を曲げることであって手首を曲げる(屈曲させる)ことではありません。アームカールを行った場合などに手首を巻きこむようにして動かしてしまうと前腕に効いてしまいます。
また、手首が反った状態でも上腕二頭筋に効きづらくなるので手首を少し曲げたままの状態でアームカールを行いましょう。
肘を曲げるときにアゴを引く
頸反射(けいはんしゃ)と呼ばれるからだの連動があり、体を丸めるときはアゴを引いたときのほうが力が入りやすくなります。上腕二頭筋を曲げる行為は体を丸める動きに分類されるので、肘を曲げるときはアゴを引くようにしましょう。
ジムの鏡をみて正面を向きがちですが、見るのは自分の上腕二頭筋です。
反動は使わない
チーティングと呼ばれる反動を使ったアームカールはある条件を除いてやめたほうが良いです。動画のようなアームカールはほとんど上腕二頭筋に負荷が乗っていません。
反動をつけて上腕二頭筋にも負荷を載せたい場合は、肘を曲げ切った時に必ず止めること。そして、おろすときは重量を受け止めながら肘を伸ばすことが必須条件です。遠心力を使って肩を基点として重量をフルエクササイズをしている人がかなりいるので要注意です。
※詳しい動作は後半で動画にて解説しています。
短頭を鍛える場合は小指側を強く握りこむ
上腕二頭筋の短頭は小指から繋がる尺骨神経という神経支配化にあるため、小指側を強く握るようにすると短頭に焦点を当てて鍛えることができます。
長頭を鍛える場合は親指と人差し指を強く握りこむ
上腕二頭筋の長頭は人差し指から繋がる正中神経という神経支配化にあるため、親指人差し指を強く握るようにすると焦点をあてて鍛えることができます。
バーベルカール
ここでは立った状態で行うバーベルカールのポイントを解説します。この種目は上腕二頭筋の長頭と短頭どちらも鍛えやすく、長頭の場合は親指と人差し指、短頭の場合は小指と薬指で強く握るようにしましょう。
ポイント
・腰幅で立つ
・手幅は肩幅
・構えの時点で上腕二頭筋に負荷が乗っている状態を作る
・手首はすこしまげたまま固定
・肘を曲げるときにアゴを引く
・反動をつけても曲げ切った時は止める
・反動をつけてもおろすときはゆっくりおろす
・動作を行うテンポはなるべくゆっくり
手首が痛い場合
手首が痛い場合は手首に負担のかかりにくいEZバーと呼ばれるWのような形をしてたバーベルを使うとよいです。
インクラインカール
インクラインカールの特徴は腕が体側よりも後ろの状態(肩関節の伸展)からスタートするところです。上腕二頭筋のが収縮するには肩関節の屈曲(腕か体よりも前にでる状態)が必要ですが、逆にストレッチさせようと思えば腕を体側より後ろにするわけです。
つまりこの種目は上腕二頭筋がストレッチされやすくなります。筋肉をストレッチさせる刺激は筋肉を収縮させる刺激よりも筋肥大に繋がりやすいのでトレーニングメニューの中に入れておきたい種目でです。
ポイント
・ベンチの傾きは60-75度くらい
・股関節は屈曲させて脚は浮かせておく
・腹筋を使い体を丸めながら肘を曲げる
・手首はすこしまげたまま固定
・肘を曲げるときにアゴを引く
・反動をつけても曲げ切った時は止める
・反動をつけてもおろすときはゆっくりおろす
・動作を行うテンポはなるべくゆっくり
プリーチャーカール
プリーチャーカールは肘を台に乗せて行う種目で、上腕二頭筋の作用である肩関節の屈曲がすでに行われています。考え方はインクラインカールと同じで、この種目の場合だと腕が体側より前(肩関節の屈曲)にあるので収縮がしやすくなります。
この種目は主に収縮種目、上腕二頭筋長頭を鍛える種目として行われます。
ポイント
・台には肘ではなく、上腕三頭筋が乗るように調整する
・腹筋を収縮させて体を丸めながら肘を曲げる
・手首はすこしまげたまま固定
・肘を曲げるときにアゴを引く
・反動をつけても曲げ切った時は止める
・反動をつけてもおろすときはゆっくりおろす
・動作を行うテンポはなるべくゆっくり
まとめ
いかがでしたでしょうか?だた肘を曲げる動作と思いきやいろいろと意識するべきポイントがあるのでぜひとも次のトレーニングで試してみてください。
トレーニングは知れば知るほど面白くなるで~