オロッス!福岡市中央区でパーソナルトレーナーをしているパクチー大原です。今回は大胸筋がどことどこに付いているのか(起始停止)・どのような働きをするのか(機能)・トレーニングをするときに押さえておきたい+αの知識をご紹介します。これを知っているかどうかで大胸筋のトレーニングの上手さに直結してくるので最後までご覧ください。
大胸筋の構成
大胸筋は解剖学的には上部(鎖骨部)と下部(胸肋部・きょうろくぶ)の二つに分かれています。トレーニング界隈では下部(胸肋部)をさらに中部と下部の二つに分けて、上部・中部・下部の三つに分けることが一般的です。
ややこしいので、以下では大胸筋を上部・中部・下部の三つに分割するとらえ方で説明していきます。
大胸筋上部の起始停止

左の大胸筋
大胸筋上部
起始:鎖骨の内側前方1/2
停止:上腕骨の大結節稜
大胸筋下部
第1-第5肋骨の肋軟骨の前面
停止:上腕骨の大結節稜
大胸筋下部
起始:第6肋骨の肋軟骨の前面 腹直筋鞘(腹直筋の上部)
停止:上腕骨の大結節稜
大胸筋を鍛える上で「上部はこことここに、中部・下部はこことここについていいて、この二点間の距離を近づけたり遠ざけたりすればいいんだ!」とイメージすることが大切です。
大胸筋の機能
大胸筋の機能は上部・中部・下部合わせて四つあります。それぞれの動きを見てみましょう。
肩関節の内旋
青い部分は三角筋前部です。大胸筋上部・中部・下部ともに内旋させる働きがあります。
水平屈曲
大胸筋上部・中部・下部ともに腕を体の中心に引き付ける水平屈曲の作用があります。
屈曲(上部のみ)
青い部分は三角筋前部です。大胸筋上部(鎖骨部)には腕を鎖骨に近づける屈曲の作用があります。
内転
大胸筋下部には腕を下方におろす内転の作用があります。
大胸筋の神経支配
上部:外側胸筋神経(C5・6・7)
下部:内側胸筋神経(C8・T1)
↑での下部は(中部・下部)合わせたもの。と補足しましたがトレーニングではこの知識は基本的に使いません。トレーニングで使うのは尺骨神経と正中神経です。
大胸筋上部は親指側の手のひらから端を発する正中神経の支配下にあるため、人差し指側の手のひらで押すようにすることでより効かせられることができます。大胸筋中部下部は小指側の手のひらから端を発する尺骨神経の支配下にあるため小指側の手のひらで押すようにすることで効かせられるようになります。
正中神経・尺骨神経という考え方は解剖学的な考え方ではありませんが、実際にその通りに行ってみると確かに効き方が変わるので実際に次のトレーニングで行ってみてください。
参考図書
▼軽く解剖学を学びたい場合
▼本格的に解剖学を学びたい場合
他の筋肉の起始・停止
▼三角筋

▼上腕三頭筋

▼上腕二頭筋
