
はい、おなっす。福岡市中央区でパーソナルトレーナーをしているパクチー大原です。
【前編】握り方と背中のトレーニング – パクチー大原に引き続き今回も握り方について解説していきます。
握り方シリーズの構成は以下の通り、
今回は後編のサムラウンドグリップvsサムレスグリップについて書いていきます。
握り方
【前編】
・「親指、人差し指、中指」vs「小指、薬指、中指」
【後編】
・サムレスグリップvsサムアラウンドグリップ
それぞれの筋肉の位置は確認しておいてください!大円筋が収縮すると背中の上の外側部分がギュッとします。広背筋が収縮すると背中の真ん中から下にかけてギュッとします。

サムレスグリップvsサムアラウンドグリップ
そもそもサムレスグリップとサムアラウンドグリップとは?
親指をバーに巻きつけるのがサムアラウンドグリップ。

バーに親指を巻きつけないのがサムレスグリップになります。

それぞれの握り方で背中の動き方にどのような変化が出てくるのがみてみましょう。
上から引く種目
ペンか何かを両手でサムアラウンドグリップで握り胸を張って上から胸あたりに向けて引いてみましょう。
サムアラウンドグリップで握る注意点としては、親指は外さないように、逆にあまり握りすぎないように、軽く上から添える程度にして握りましょう。


左がNG 右はOK
これだと肩甲骨が下がりやすくなり広背筋の下の部分まで収縮する感じがあると思います。
次はサムレスグリップにして同様に胸をはり上から胸にむけて引いてみましょう。
すると大円筋の方に効きやすくなります。
より下の方の広背筋には収縮感が来にくいはずです。
それぞれもう一度ずつ試してみてください。
サムアラウンドグリップの方が肩甲骨が下に下がりやすいはずです。
この理由としてはサムレスグリップにしてしまうと腕橈骨筋が働きやすくなり引く動作を行う場合、
肩から動くのではなく、肘の方から曲がりやすくなってしまうのです。肘から曲がりやすくなると広背筋ではなく上腕三頭筋に効きやすくなります。
つまり、肩甲骨を動かす場合はサムアラウンドグリップにすることが重要となります。
下から引く種目
ラットプルダウンやチンニングなど上から引く種目と比べて、ベントオーバーロウなどの下から引く種目は例外です。
上から引く場合は肩甲骨が少し上がった状態から腕を引いて肩甲骨を下げながら腕を引くことで広背筋が収縮させる必要があるため
肩甲骨を動かしやすくするサムアラウンドグリップで握る必要がありました。
しかし下から引く種目では、すでに肩甲骨が下がっている状態であるため普通に引けば肩甲骨は下の方まで下がった状態で腕を引くことができます。
つまり、この場合はサムアラウンドグリップでもサムレスグリップでもどちらでも大丈夫です。サムレスグリップでも広背筋の外側に効きやすくなります。
前からから引く種目
前から引く場合もサムレスグリップとサムアラウンドグリップで違いを感じてみましょう。
サムレスグリップで前から胸を張って引いてみてください。
次にサムアラウンドグリップで胸を張って引いてみてください。

サムアラウンドグリップの方が肩から動いて肩甲骨が下に下がる感じがしますよね?
サムレスだと先に肘がたたまれてしまい、下の方まで下がりません。
親指1つで効き方、ひいては背中の発達に違いがでてきてしまうのです。
まとめ
・サムアラウンドグリップにして親指に少し力が入るようにするだけで肩甲骨の動きやすさが変わる
・上から引く種目、前から引く種目はサムアラウンドグリップにして、肩甲骨が下がりやすくする
・下から引く種目はすでに肩甲骨が下がっているのでサムアラウンドグリップでもサムレスグリップでもどちらでもよい。
今回で背中のトレーニング最重要事項のグリップ編は終了となります。
次からは2種類の引き方、足幅の違いによる背中の鍛え分けについて書いていきます!
参考文献
アナトミー・トレイン [Web動画付] 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線
背中がようけ見えるタンク