大胸筋のトレーニングテクニック【前編】

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おおはらゆういち(パクチー大原)

1994年福岡県生まれ。「筋トレ仲間が欲しい」と思い、早稲田大学に入学。早稲田大学のボディビルコンテストで優勝し2016年度ミスター早稲田となる。卒業後は不動産の営業→フリーランスのトレーナーになる。現在は島根県の山奥で【筋トレ村】を作りつつセミリタイア生活を送っている。

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おなーす、パクチー大原です。

 

 

これから説明していく

大胸筋を鍛える上でのポイントは以下の通り

①胸を張ること
②足幅を意識すること
③肩甲骨の支点を意識すること
④グリップを意識すること

 

今から順にそれぞれのポイントをご紹介します。

 

 

 

 

【①胸を張ること】

 

 

胸を張っていないと大胸筋に負荷が乗らず肩が動いてしまうため、

 

ベンチプレスなどでは肘を伸ばし切る時も胸を張ったままにして肩が前に出ないようにしましょう。

 

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左が肩が前に出ていない状態、右が肩が前に出ている状態。ちょっとした違いですがわかりますか?

 

胸を張る上で意識するポイントは2つ

①骨盤を立てること

②背中で支える支点を意識すること

 

①骨盤を立てるとは?

椅子に座った時にお尻に2つの坐骨という骨が、椅子に対して垂直に立っていることを「骨盤が立つという」

 

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「骨盤が立っていない状態」とは、坐骨と床の角度が傾き骨盤が後傾してしまう状態のことである。

 

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チェストプレスなどの椅子に座って行うタイプのマシンを使う場合は骨盤を立てることを意識してトレーニングを行うと良い。

 

 

ハンマーストレングスのチェストプレスのマシンの座席は傾いており、骨盤が後傾しやすくなっている。

 

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この座席の傾きをなくすために座席部分に短いパッドを引いてやることで座席が水平になり骨盤を立てやすくなる。

 

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ではベンチプレスやダンベルプレス、ダンベルフライなどの座らずに仰向けで行う胸のトレーニングで骨盤を立てるためにはどうすれば良いのか?

 

 

その場合はしっかりと床に足をつけ、足で地面を押してあげることで骨盤が立ち、肩甲骨を寄せやすくなります。

 

ベンチ台の上に足を置いたり、足を上げたままだと骨盤が立たず、胸が張れない=胸に効かない状態になってしまうので

 

しっかりと胸を張れるよう足は地面につけること。

 

 

さらに、足の重心を

つま先重心にするのか

カカト重心にするのか

でも体の動きは変わります。

 

つま先重心にして踏ん張るようにすると首元が支点になり肘を若干開いた状態の方が効きやすくなります。

 

カカト重心にして踏ん張るようにすると、肩甲骨の位置が下がり(肩甲骨の下制)、肘が折りたたみやすくなります。上腕三頭筋も使いながら高重量を扱いたい場合はこちらでもよいです。

 

 

 

【②足幅を意識すること】

 

足幅の広さ、

ナロースタンス

ミドルスタンス

ワイドスタンス

を使い分ける事でも効き方は変わってきます

 

ナロースタンスは、ペックフライやケーブルクロスオーバーなどのコントラクト種目、大胸筋の内側を狙う場合に取り入れると肩甲肩はそこまで寄らなくなり収縮しやすくなります。

 

ミドルスタンスは、ベンチプレスやチェストプレスなどのミッドレンジ種目を行う場合に取り入れます。

 

ワイドスタンスダンベルフライでストレッチを意識際に取り入れると肩甲骨が寄りやすくなりストレッチをしっかりとかけられるようになります。あまりワイドにしすぎると肋骨が開いてウエストが太くなってしまいますので適度に広めにとるようにしましょう。

 

 

 

 

 

【③肩甲骨の支点を意識すること】

 

肩甲骨の支点は

上段、中段、下段

の3つを使い分けます。

 

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肩甲骨の上段(首元):赤色部分を支点にすると、胸を張った時に大胸筋下部が突き出る形となるため大胸筋下部に効きやすくなります。

 

 

 

 

肩甲骨の中段:黄色部分を支点にすると、大胸筋中部を突き出す形となり、大胸筋中段に効きやすくなります。

 

肩甲骨の下段:青色部分を支点にすると、同様の理論で大胸筋上部に効きやすくなります。

 

 

これを意識していない場合、背中のトレーニングで

下から引くのか

前から引くか

上から引くのか

どちらが得意かによって、それぞれ背中に置く支点が変わってきます。

 

下から引く背中の種目が得意な人は肩甲骨の支点が、自然と肩甲骨の上段(首元)になる傾向にあります。

 

前から引く背中の種目が得意な人は肩甲骨の支点が、自然と肩甲骨の真ん中になる傾向にあります。

 

上から引く背中の種目が得意な人は肩甲骨の支点が、自然と肩甲骨の下段になる傾向にあります。

 

 

心あたりはありましたでしょうか?

 

 

 

 

【④グリップを意識すること】

 

・手首の角度

・押すときにバーを手のひらに乗せる位置

 

 

【手首の角度】に関しては

曲げずに、まっすぐにしてください。

 

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左がまっすぐな状態で、右が曲がった状態。

 

次回、胸のトレーニングを行う際に試して欲しいのですが、手首を背屈させた場合とまっすぐにした場合とでは明らかに胸への効き方が変わってきます。

 

手首をまっすぐにした状態だと肩から動き出し大胸筋に効きますが、

 

手首をまげてしまうと肘から動いてしまい上腕三頭筋に刺激が逃げてしまいます。

 

大胸筋は肩を動かす筋肉なので、肩から動かせるよう手首はまっすぐにしておきましょう。

 

 

 

 

【バーを手のひらに乗せる位置】コントラクト種目(ペックフライなど)なのか、ミッドレンジ種目(ベンチプレスなど)なのか。ストレッチ種目(ダンベルフライ)なのかによってバーを置く位置を変えます。

 

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コントラクト種目を行う場合は手のひらの人差し指側(赤い部分)に重心をおきます。

 

ミッドレンジ種目では中指側(黄色い部分)に重心をおきます。

 

ストレッチ種目では小指側(青い部分)に重心をおきます。

 

 

このテクニックの効果を体感する場合は、まず

人差し指側を強く握って胸を収縮してみてください。

 

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今度は小指側を強く握って胸を収縮してみてください。

 

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どうですか?人差し指側を強く握った方が胸が収縮しませんか?

 

 

 

次は人差し指側を強く握って胸をストレッチしてみてください。

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今度は小指側を強く握って胸をストレッチしてみてください。

 

 

今度は小指側を強く握った方がストレッチされる感覚がありませんか?

 

 

体には連動して動く機能があり、このような手のひらにバーを当てる位置を変えるだけでも効き方は変わってきます。

 

 

 

 

【まとめ】

 

まとめると、大胸筋のトレーニングでは以下のポイントを意識するとよい。

 

胸を張るためには以下の2点を意識する

骨盤を立てること

足の裏をつけること

 

足幅は以下のように使い分ける

コントラクト種目を

行うときはナロースタンス

 

ミッドレンジ種目を

行うときはミドルスタンス

 

ストレッチ種目を

行うときはワイドスタンス

 

肩甲骨の支点は以下のように使い分ける

大胸筋下部を狙うとき

背中の支点は上段(首元)にする

 

大胸筋中部を狙うときは

背中の支点は中段にする

 

大胸筋上部を狙うときは

背中の支点は下段にする

 

 

グリップは以下のことを気をつける。

 

 

手首は真っ直ぐにする

 

コントラクト種目を行う時は

人差し指側にバーの重心を置く

 

ミッドレンジ種目を行う時は

中指側にバーの重心を置く

 

ストレッチ種目を行う時は

小指側にバーの重心を置く

 

 

 

大胸筋下部と中部を鍛える時は、今回紹介したトレーニングテクニックを用いればよいと思います。大胸筋上部と小胸筋に関してはもう少し詳しく説明したいと思うので次回の記事で書いていきます。

 

 

今回のトレーニングテクニックの元になっている本は「アナトミートレイン」という本です。

 

筋トレの道を突き進んでいきたい!誰よりも大きくなりたい!という方は、高い買い物にはなりますがそれ以上の価値はあるので手元に置いて少しずつ読んでいくことをオススメします。

 

 


アナトミー・トレイン [Web動画付] 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線

 

 

基本的な解剖学から学んでいきたいという方は

定番の一冊があるのでこれをオススメします。


身体運動の機能解剖

 

では次回に続きます〜